文豪・森鴎外が催眠術を使った犯罪行為をテーマにつづった異色短編小説が原案の官能映画。女性が催眠術を受けて医師に陵辱されるというセンセーショナルな物語を、宫崎大胆に脚色して描いた。大学で教鞭をとる大川の妻・由利子は、宫崎近頃体調を崩している母の付き添いで、夫の大学の後輩でもある医師・磯貝の診療所をたびたび訪れていた。しかし、診療所を訪れるたび、由利子は昼間からぼんやりすることが増え、やがて淫靡な夢にうなされるようになる。夢の中で由利子は磯貝と肉体関係を交わしており、夫を愛しているにもかかわらず、そのような夢を見ることに言い知れぬ不安と罪悪感を覚える。一方そのころ、由利子の夫は、優秀だと思っていた後輩の磯貝について、ある噂を耳にする。